2016年春 ハウステンボスに出現 みんなの恐竜
メディアフロントとはナニモノなのか?
2016年3月19日、ハウステンボスのゲーム王国コーナーに現れた「みんなの恐竜」。
紙に描かれた恐竜に子どもたちが塗り絵をしている。その塗り絵をスタッフがスキャン。同時に塗り絵をした子の顔写真もパチリ。すると目の前のスクリーンの世界では遠くの方から空を飛ぶ恐竜プテラノドンがこちらに向かってやってくる。口には大きな卵をくわえていて、卵の表面には塗り絵をした子の顔が映し出されている。やがてプテラノドンはその卵を地上に落として去っていき、その卵からは新しい恐竜が誕生する。それはなんと、さっき自分で色を塗った恐竜!しかも塗り絵の恐竜が3D化され動きも滑らかに活き活きと走ったり、時には踊ったり。まるで命を吹き込まれたかのようだ。子どもたちの顔が驚きと喜びに輝く。
塗り絵の恐竜をスキャンするとスクリーン映像の中で3D化し活き活きと動き回るというデジタルとアナログの境目を行き来するこの不思議な体験。不思議は塗り絵が3D化することだけではない。スクリーンに近づくと恐竜が近寄ってきたり、スクリーンの前で腕や手を動かすとスクリーンの中の卵を割ることができたり、子どもたちの姿が恐竜になって体の動きに合わせて動いたり。そんな数々のインタラクティブなしかけで子どもたちを目いっぱい驚かせ、楽しませている。
そしてこの人気プログラムを提供しているのが、ソウルに拠点を持つメディアフロントとその日本法人、メディアフロント・ジャパンである。
みんなの恐竜 ハウステンボス公式サイトより
みんなの恐竜
プロジェクション技術X-ALIVEとその応用力
ハウステンボスのみんなの恐竜は、メディアフロントのプロジェクション技術「X-ALIVE」が軸となっている。
機器構成は描いた絵を取り込むためのスキャナとPC、投影のためのプロジェクターとPC、そしてダイナミックな世界を繰り広げるための大きなスクリーン。塗り絵の恐竜に生命の息吹を吹き込むような流れはこの構成で実現されている。
<X-ALIVE システム基本構成>
またハウステンボスでは、X-ALIVEの技術に加えて、IRカメラとIRライトを用いてスクリーンの前に立つ子どもたちの位置をセンシングし、それに応じた反応を出すしかけと子どもたちの姿に恐竜の着ぐるみを着せてスクリーンに映し出し、体の動きに合わせてその姿を動かすARマスクと呼ばれるキネクトセンサーを用いた技術も併せて採用している。
<X-ALIVE ハウステンボス向け システム構成>
一方X-ALIVEは恐竜バージョン以外にも描いた魚がスクリーンの海を泳ぎまわるX-ALIVE THE OCEANや、タッチテーブル上でお絵かきしたキャラクターが宇宙を遊泳するX-ALIVE THE SPACEなど、テーマの違う応用プログラムも存在する。
X-ALIVE THE OCEAN
X-ALIVE THE SPACE
発想次第で、追加機能やテーマの変更など柔軟な応用力を発揮するX-ALIVE。エンタテインメントはもちろんビジネスイベントや教育イベントへの活用も期待できるのかもしれない。
TEAMメディアフロント
みんなの恐竜 開幕までのリアル
2016年春にハウステンボスに出現したみんなの恐竜。その構想は前年の夏から。
ソウルに拠点を置くメディアフロントが「“クールコリア”の世界を日本の企画&マネジメントで」をコンセプトに日本法人を立ち上げたのが2015年夏。7月のライブ&イベント産業展への出展がスタートであり、ハウステンボスとメディアフロントの出会いもそこが始まりだった。
企画提案、検討、現地調査、開発。東京とソウルのスタッフが長崎を訪れ、東京⇔ソウルを行き交い、みんなの恐竜の実現に邁進する日々が続いた。
メディアフロントが最も大切にするのは施設運用スタッフの経験、ノウハウから出てくる要望を丁寧にシステムに反映させること。X-ALIVEという標準の技術に数々のハウステンボス向けのカスタマイズを実現している。(詳しくは次章で紹介)
そして3月に入るといよいよ現場セッティングがはじまる。念入りな事前準備の甲斐があり、大きなトラブルもなく無事にセッティングは完了。
緊張のハウステンボス側によるレビューは終始「すばらしい!」の声。関係者一同、安堵とこれからへの期待に満ちていた。
イベント企画パートナーとして、
あなたはメディアフロント・ジャパンに何が期待できるのか?
メディアフロント(ソウル)代表の朴とメディアフロント・ジャパン代表の土屋
日本のイベントシーンでの新鮮さ
今回のハウステンボスでの採用実績。何が評価されたかと言えば、メディアフロントが日本に上陸したばかりであり、その技術がまだまだ知られておらず、人々の目に新鮮であるといったところが大きい。
開発スピード
では、この会社は実績を積むとともに価値がなくなっていくのか?といえばそうではない。ソウルにおける新しいプログラムの開発、同じ技術であっても違った表現で新たな展開をするカスタム開発の速さは目を見張るものがあり、ネタが尽きる様子はない。
イベント運営者の経験値、想いを最大限システムに反映させる企業文化
また目に新鮮な企画や技術だけでなく、運営視点でベストと思われるものを運営者とともに探りながら仕様を決めていく姿勢もメディアフロントの大きな魅力である。
ハウステンボスで言うなら、運営にあわせた数々のカスタマイズを行っている。
例えば、恐竜が誕生する卵に映し出すための子どもの顔写真の撮影。参加する子どもにはうれしいしかけである一方で、運営スタッフの視点では、煩雑時にはスキップして、回転よくできるだけたくさんの子どもたちを迅速に案内したいが、余裕のあるときには撮影で喜ばせてあげたいという想いがあった。プログラムの視点から言えば、撮影を行うかどうかはどちらかに統一してシンプルにしたいところ。しかし、メディアフロントでは、どちらのパターンも切り替えられるようプログラムをカスタマイズし、煩雑時、通常時、それぞれの状況で最大限来場した子どもたちに喜んでもらえる臨機応変なシステムを実現した。
他にも標準ではA3サイズの紙をスキャンするようにできているX-ALIVEの技術。しかし塗り絵を壁に貼り出しするハウステンボスでは限られたスペースにできるだけ多くの子どもたちの絵を貼ってあげたいという想いがあったため、メディアフロントはB4サイズの塗り絵にもスキャン対応できるようプログラムをカスタマイズ。そして、極み付けはキーボードボタンで、スクリーンの中の恐竜たちが一斉に踊りだすというしかけ。これはお誕生日など特別な日に来場した子どもたちにサプライズを、という運用スタッフの温かい想いに応えた特別仕様である。
サプライズボタンでスクリーンの中の恐竜が一斉に踊りだすカスタム仕様
運営スタッフの経験値や、お客様を喜ばせ、湧かせたいという想いを大切に考え、最大限システムに反映させる企業文化を持つメディアフロント。イベント企画者にとって成功への道のりを一緒に歩む心強いパートナーとなるはずだ。
※ この記事はメディアフロント・ジャパン株式会社によるハウステンボス企画の紹介です。